拭いたところだけ筋が残るのは、順番のせいであることが多いです
コンロのそばの壁を拭いたら、拭いた線に沿って白い筋が浮いた。
あるいは、拭いた場所のほうが周りより曇って見える。
掃除をした跡のほうが目立ってしまう、という状態です。
これは力の入れ方が足りないからでも、洗剤が弱いからでもないことがほとんどです。
原因は3つに分かれます。
洗剤が壁の上で乾いたこと。
下から上へ拭いたこと。
1枚の布を裏返さずに使い続けたこと。
この3つです。
キッチンの油汚れは、洗剤をかけた瞬間に落ちるわけではありません。
洗剤が油に入り込んでゆるむまでに数分かかります。
その数分のあいだに洗剤の水分が飛ぶと、油と洗剤が混ざったものが壁の上でもう一度固まります。
これが筋の正体です。
固まってしまうと、あとから水拭きしてもそこだけ取り残されて、線として残ります。
つまり、洗剤を置く時間は必要だけれど、置きすぎてもいけない。
この幅の中で作業を進めるために、順番と区画を先に決めます。
壁を上下2段に区切る。一度に洗剤をかける範囲を決める
始める前に、壁を横1mくらいの幅で区切ります。
さらに、目線の高さで上下2段に分けます。
ここまで決めてから洗剤を出します。
区切る理由は2つあります。
1つは乾きです。
一度に洗剤をかける面積が広いほど、端のほうから乾いていきます。
横1m・上下どちらか半分なら、洗剤を置いて拭き取るまでを数分で回せます。
もう1つは、垂れる方向です。
洗剤をかけると、油を含んだ液は必ず下へ流れます。
下の段を先にきれいにしても、上の段を拭いた瞬間に汚れた液が降りてきて、同じ場所をもう一度拭くことになります。
上から下へ、というのはこの一点のためです。
上の段を拭き終えたら、下の段に移る前に、下段に垂れた筋をざっと水拭きしておくと最後が楽になります。
垂れたまま放っておくと、その線だけ油が濃くなって乾き、あとから目立ちます。
動かす順番 — レンジフードの外側、壁の上、壁の下、コンロ、シンク、床
高いところから低いところへ、が全体の並びです。
具体的にはこの順で動かします。
レンジフードの外側の面を先に拭きます。
ここは壁より油が濃く、あとから触ると壁に落ちてきます。
フードの下面や、コンロ側に向いた縁のあたりは、手を入れると指に油がつくくらい溜まっていることが多い場所です。
次に壁の上段、続いて壁の下段。
それからコンロの天板と五徳、最後にシンク、そして床です。
壁を拭いているあいだ、洗剤の飛沫はコンロとシンクに落ちます。
だから水回りは最後に回します。
整流板(レンジフードの下についている、油を横から吸わせるための板)を開けて内側やファンまで洗うなら、壁の掃除とは別の日にするほうがうまくいきます。
ファンをつけ置きしている20分や30分のあいだ、壁に置いた洗剤は乾いてしまうからです。
同じ日にまとめようとして、どちらも中途半端になる組み合わせです。
洗剤を置く時間は、次の区画で作る
上段の区画に洗剤をかけたら、待つあいだに隣の区画へ洗剤をかけます。
そして最初の区画に戻って拭き取る。
この2区画のリレーにすると、待ち時間が作業時間に変わります。
ただし3区画、4区画と先に進めるのはおすすめしません。
戻ってきたときには最初の区画が乾いていて、結局そこだけやり直しになります。
先行するのは1区画までにしておくと崩れにくいかと思います。
布は2枚以上。同じ面で拭き続けると、油を伸ばしているだけになります
布は2枚、できれば3枚用意します。
1枚目で洗剤ごと油を拭き取り、2枚目を固く絞って水拭き、3枚目で乾拭きです。
拭き取り用の1枚は、四つ折りにして面を数えておきます。
1つの面で拭ける範囲は思っているより狭く、油が乗った面でそのまま拭き続けると、汚れを薄く広げているだけの状態になります。
区画を1つ終えるごとに面を変える、くらいの頻度が目安です。
面を使い切ったら、お湯で洗ってから絞り直します。
水拭きを省くと、洗剤の成分が壁に残ります。
残った成分はホコリを吸うので、1か月ほどでまた指に引っかかる手触りに戻ります。
乾拭きを省くと、乾く途中で水滴の輪が残ります。
筋が残ったという話の何割かは、この最後の1回をやっていないだけ、ということもあります。
洗剤を強くする前に、壁の面材を確かめる
落ちないときに洗剤を強くしたくなりますが、その前に、拭いている面が何でできているかを見ます。
キッチンパネル、ステンレス、ホーロー、ビニールの壁紙は、アルカリ性の洗剤に比較的耐えます。
分かれ目になるのは、木の面材、塗装した扉、紙の壁紙、そしてアルミです。
アルミにアルカリ性の洗剤がかかると黒く変色し、元には戻りません。
コンロの奥や壁との境目に細いアルミの部材が入っていることがあるので、そこは避けて作業します。
判断がつかない面は、下の隅など目立たないところで先に試します。
乾いたあとに艶が変わっていないかまで見て、それから全体に広げます。
洗剤を強くしないで済ませる方法もあります。
40度くらいのぬるま湯で壁をひと拭きして温めておくと、固まった油がゆるみます。
調理をした直後、コンロまわりがまだ温かい時間帯も同じ理由でやりやすいです。
ただし熱湯は使いません。
パッキンや樹脂の部品を傷めます。
自分で終えられる線と、葛飾ハウスクリーニングに回す線
目線から下の壁、コンロの天板、シンクまでは、区画を切って順番どおりに動かせば手が届く範囲です。
壁1面で30分ほど見ておくと、焦らずに乾く前の拭き取りが間に合います。
時間がかかり始めるのは、油が何層にも重なって茶色くなった天井近くの壁、レンジフードの内側、そしてコンロと壁のわずかな隙間に落ちて固まった油です。
ここは洗剤を置く時間を長く取る必要があり、脚立の上で乾く前に拭き取る、という作業になります。
1人でやると、置く・拭くの往復だけで午後が終わります。
葛飾ハウスクリーニングのキッチンのメニューでは、シンク、コンロまたはIH、蛇口の水垢、扉の油汚れ、そして壁面までを作業の範囲にしています。
レンジフードはシロッコファン(フードの中に入っている、羽根が細かく並んだ筒状の送風ファン)を外してつけ置き洗浄するため、別のメニューとして分けています。
壁だけ自分でやって、フードの内側は分けて考える、という切り方もできます。
今日やるなら、洗剤を買い足すより先に、壁に区切り線を引くところからです。
目線の高さで上下に分け、横1mで区切る。
そして布をもう1枚出しておく。
この2つを変えるだけで、拭いた跡の見え方はかなり変わります。
この記事に関するよくあるご質問
- 壁の油汚れは上と下、どちらから拭けばいいですか
- 上からです。
洗剤をかけると、油を含んだ液が必ず下へ垂れます。
下の段を先に仕上げてしまうと、上を拭いたときに垂れてきて同じ場所をやり直すことになります。
壁を上下2段に区切って、目線より上の段から始めてください。 - 拭いた跡に白い筋が残るのはなぜですか
- 洗剤が壁の上で乾いたか、同じ布の面で拭き続けたかのどちらかであることが多いです。
一度に洗剤をかける範囲を横1mほどに区切り、布は畳んで面を変えながら使うと出にくくなります。 - 壁の油汚れに熱いお湯を使ってもいいですか
- 40度くらいのぬるま湯で先に温めておくと油がゆるみ、洗剤を強くしなくて済むことが多いです。
熱湯はパッキンや樹脂の部品を傷めるので使いません。